石田 歩夢
8月2日。大阪から新幹線に乗り、午前9時に岡山に着。伯備線で新見へ1時間。さらに国道180号線を車で30分走って神郷釜村、平田さんの牛舎に着いた。私達は平田さんからつる牛の特徴、将来性についての話を聞きました。つる牛とは、ウリが蔓になり同じものが出来るように同じ血統の遺伝子を持つ牛のことを言います。近年、霜降りの牛肉の評価が高い中、つる牛は赤身の多い肉となっています。平田さんがごちそうして下さった。そのお肉は、香りが甘く食感も脂の質も全てが他のお肉と違って本当においしかったです。油をひかなくても焼くことができ、どんなに食べても飽きのこないさっぱりとした脂のおいしさでした。
だが、なぜ蔓牛はこれまで大々的に注目されてこなかったのだろうか?大きな理由の1つはやはり霜降りのある牛肉が良い、という概念が固定されているからなのです。長い間ずっとサシ(霜降り)のあるお肉に重点を置いているため赤身の肉が軽視されていたのでしょう。
蔓牛には他の牛とは違う特性があります。それは、雑種の場合、近親交配させると劣性(不良)の牛が生まれる可能性があるのですが、蔓牛は劣性の確率が少ないといわれています。たくさんの可能性を秘めている平田さんの「蔓牛」をもっと世の中に広めるためにこれからも取材を続けていきたいと思います。
山本 麻由
2015.8.2
大阪から、岡山県新見市へと向かった。そして、平田 五美さんとお会いすることができた。お会いしたことで、蔓牛のことや食肉の現状について考え、知ることができた。現在、食肉はヒトが食べて“おいしい”と思える牛を育て食肉にすることに力を注いでおり、牛の価値はヒトの口によって決まる。価値の高い牛を育てるには、国内の有名牛をつかって交配を行うのが主な手法なのである。様々な交配を行うため「牛はみな親戚」と言われても仕方ない。これでは純血な国産牛はいなくなってしまう。平田さんはそのような危機的状況に陥る前に蔓牛が最後の砦として国産牛を救うことができるように大事に育てている。
また、その時に牛肉を味見させていただいた。見た目は鮮明な赤色。匂いは臭みがなくいい肉の匂い。味は脂身が少なく、さっぱりしていて肉の旨味がとても濃い味であった。好みはそれぞれであるが、多くの人に平田さんの純血牛を味わって知ってもらいたいと感じた。